設立趣旨
日本フードサービス学会とは・・・
また、一口にフードサービス産業といっても、その産業活動は人々の営みの様々な分野と関わりを持っています。国内外の歴史や文化はもちろんのこと、農業や流通をはじめとする多くの産業、さらには経営学やマーケティング、経済学、人間工学、都市工学等々の社会科学・人文科学・自然科学、そして地域社会や環境等、多岐にわたる分野との関わりを持ち、その関わりの度合いは今日ますます強まっています。
こうしたフードサービス産業と関わりのある様々な分野では、従来からそれぞれ独立した学術研究が行われてきました。各々の分野での理論的実証的研究等はそれなりの成果を挙げ、当該分野の学術や関連産業の発達に寄与していますが、フードサービス産業をトータルの研究対象とする学術研究は未だ十分に行われておりません。従来の視点から見れば学際的な学術研究が、ひとつの学問領域として確立されていないことは、現在のフードサービス産業の社会的役割から見て、極めて残念なことと言わざるを得ません。
そこで、従来個別に研究していた各分野の研究者たちが、「フードサービス産業研究」というひとくくりの下にいろいろな角度からフードサービス産業(外食産業)を学術的に研究しようということになり、社団法人日本フードサービス協会の支援を得て日本フードサービス学会が設立されました。
フードサービス産業に熱い思いと深い興味を抱く各分野の人たちが、垣根を超えてひとつの交流の場を形成し、研究成果を発表するなど、相互に研鑽を図ることは、フードサービス産業に関する学術的研究の促進に繋がると考えられます。さらに、従来の分野間の垣根を取り払った積極的な交流は、各分野の学術研究をより一層発展させるものと期待されます。
また、我が国のフードサービス産業は、海外の食文化を積極的に取り入れており、学術的研究に際しても国際的な視点が不可欠です。したがって、フードサービスに関する理論的研究ばかりでなく、実証的研究をも含めた学術研究の「先進国」である米国を始めとして、諸外国との積極的な国際交流を促進することも、我が国のフードサービス産業研究者に必要であると考えられます。こうした国際交流の機会を提供することも、日本フードサービス学会の目的のひとつです。